井戸の底で実験室

天才になるという欲望を挫折したので、凡人として生きる方法を模索している。

なんでもない日 14

私の会社には自己評価システムがあるらしい。
らしい、というのは、私自身は派遣的な立場なので自己評価システムをまだ経験してないのである。だから外側からチラ見した立場からしか考えることができない。

自己評価システムは、会社側が、個人の目標設定や成果を確認するためのものなのだろう。
自分のなかで目標が明確になっているのは仕事上良いことだと思う。
しかしそれを会社に提出させるシステムに弊害は無いのだろうか。自己評価システムそれ自体を評価する視点を持って運用しているのだろうか。他人に見せるための自己評価がただのアピールになり下がってしまう可能性は?

こんな疑問がちょいちょい浮かぶ

自分の仕事を自分で評価するには、自分の価値基準を明確にして、それに沿って的確な判断を下すことが求められる。けれど、それって果たしてみんなが突然できるようになることなのだろうか?

今の仕事に就いて、理想と仕事内容にギャップ差を感じることが多い。仕事の本質をつかみ損ねたのだ。他人を幸せにする、他人がミスをしにくいシステムを作る、他人のミスをフォローする。そんな仕事がしたい。しかし実際には叱るのが仕事のようになってしまう。

結局、自分は、良い人でいたいのかもしれない。

なんでもない日 13

 容姿を気にするのが面倒臭くて、社会人にもなってノーメイクにジーパンで仕事をしている。

 女性の多い華やかなフロアの中で平均点にも満たない格好をしているわけだが、別段気にならない。最初から白旗をあげているのだから当然だし、自分のなかでは、一般的なマナーを守っていない人間と見られるよりも、仕事ができない人間として認定されるほうがしんどいのだ。

 別にファッションが嫌いなわけではない。店を覗くのは好き。店員と喋るのは苦手だけど、ジャンル無関係に服屋を渡り歩くのは楽しい。店ごとのカラー、流行を取り入れたマネキン、紙袋を肩に下げヒールを鳴らして歩く女性、値段と素材のせめぎ合い、自分で着ることが想像もできないタイプの服、商品を眺める横顔……。服屋は、どんな女の子がどんな現実を生きているのかを教えてくれる。

 

 ただ、素敵な服を着るには、素敵な髪型や化粧や体というのも必要になる。朝に弱く、準備が遅く、体毛を剃らない自分には、素敵な服を素敵に着こなすための前提条件を揃えられないのである。いや、正確に言えば、揃えるのが面倒なのだ。

 自分からは「他人に見せるためのファッション」という観点が完全に欠落している。ボロボロの格好をして他人に「みっともない」と思われることへの羞恥心が無い。

 そういう羞恥心が限界突破して、麻痺してしまっているだけかもしれない。口元に髭が生えているのを見ると嫌な気持ちになるから、羞恥心自体はあるはずなのだ。でも、それを、見ないフリをしてしまう。みっともない自分が、自分の目にさえとまらなければ良い。

 こういうところが「自分の世界を生きている」と言われる所以だろう。他人の眼差しを気にしない性格、正確には、他人の眼差しを気にしないように強烈な自己暗示をかけている。

 

 

 素敵な服は着たいけれど、やっぱりそれよりも、少しでも多く寝ていたい。

 

 

なんでもない日 12

最近、本を読みながら頭に図が書けるようになった。修行期間約六ヶ月。次のページや段落にいっても頭に図が書けてるから理解がはかどる。ただしめちゃくちゃ疲れるから寝不足のときは無理。

ついでにこのまま絵も頭の中で描けないだろうか。ぼんやりと思い浮かべることはできるので、もうちょっと、鮮明にしたい。簡単なマスコットキャラクターとかで練習してみるか。

 

ところでみんな、絵を思い浮かべるとき、どの空間で思い浮かべてるんだろう。私は右目のあたりで思い浮かべると割とはっきりするんだけど、左目では全然ダメ。そういうの、みんな、あるんだろうか。

 

なんでもない休日 1

エッセイ

○内容の簡単な概要

○具体的に体験したこと・具体的な説明

○体験から感じたこと

○最近・今後のこと

 

某のエッセイってこんな感じの流れで書かれているような気がする。

 

なんでもない日 11

謝るクセを怒られる。

 

何事も適当にしょぼくれて謝ってれば良いと思って生きている。

人間というのはきっと誰かにイライラや責任を押し付けたくて仕方がない生き物だから、何か嫌なことがあったら、誰かをなじりたくなるのだと、私は信じている。私が謝れば、私をサンドバッグにして、誰かが一瞬でもすっとするかもしれない。こういう思考の癖はなかなか抜けないもので、心のどこかではこういう謝罪を望むのはほんの一部でしかないと分かっていても、自分からサンドバッグになりにいってしまう。

他人のそういう姿は見ていて気持ちが良いものではないし、悪くないのに謝るという行為は世界の倫理や秩序を歪めてしまうだろう。DVの共依存と同じだ。

 

 

謝る以外の反応の仕方が分からないだけなのかもしれない。

正確には、謝るか怒るかの二択しかない。

その間の反応って、どうやるんだろう?

 

 

 

なんでもない日 10

 身バレを恐れると具体的に何も書けないことに気づいたので、何か仮の設定でも考えようか。

 

 今の職場に入って三年目になる内勤の事務職。生真面目で一生懸命だが物覚えが悪くて鈍臭く、三年目にして新卒を上回る役立たずっぷりだと上司に酷評される。年上の先輩はアルカさんは天然だからとフォローしてくれるが愛想笑い丸出しだし、先輩にはこの仕事をいつになったら覚えるのかと責め立てられる。新人からは三ヶ月目からバカにされ始めているような気がする。そんな自分をどうにかしようとは思うのだけど、何から始めれば良いか分からないので、手始めにスピリチュアルを始めようと思う。

 

 

 

 

わりと普通の設定になってしまった。

 

 

 

 

 

なんでもない日 9

 

「本質を掴むこと」は私にとって生涯乗り越えられない壁なのだろう。物事の表面しかさらえない、暗記しかできない、知識を他に応用することができない。知識と経験を血肉にすることができない無能だ。

 

仕事を辞めたいと、また言えなかった。